身体は、急には変わりたくない
この夏、外部実習を通して、普段の学校の授業だけでは聞くことのできない様々なお話を伺う機会がありました。
その中で、とても印象に残っているのが、先生がお話ししてくださった「ホメオスタシス(恒常性)」についてです。
ホメオスタシスとは、簡単にいうと「身体をいつもの状態に保とうとする働き」のこと。
例えば、暑くなれば汗をかいて体温を下げようとし、寒くなれば身体を震わせて熱をつくろうとします。
環境が変わっても、身体の中をできるだけ一定に保とうとする。
私たちの身体には、もともとそんな仕組みが備わっています。
このお話を伺いながら、
「これ、私がお客様にずっとお伝えしてきたこととつながる!」
と思いました。
生活習慣も、食習慣も、長い時間をかけて積み重なってきたものです。
良くも悪くも、人は長く過ごしてきた状態に馴染んでいきます。
だから「今日から全部変える!」と一気に頑張ることはできても、それを続けていくのはなかなか難しい。
ダイエットも同じですよね。
短期間で一気に身体が変わっても、これまでの生活に戻れば、身体も元の状態へ戻っていきやすくなります。
リバウンドにもつながるお話です。
だから私は以前から、お客様にも
「一気に変えることより、コツコツ続けること」
をお伝えしてきました。
少し変わって、少し戻って。
また少し変わって、時にはまた戻って。
一直線じゃなくてもいいんです。
行きつ戻りつしながら、少しずつ新しい状態を身体に馴染ませていく。
時間はかかるかもしれません。
でも、時間をかけて積み重ねてきた変化だからこそ、長く続いていくものがあると私は思っています。
私は魔法使いではありません(笑)!
一度の施術で、長い年月をかけてつくられてきた身体や生活そのものを、すべて変えることはできません。
もちろん、その場で身体に変化が出ることもあります。
SNSでは、施術前後の大きな変化など、目を引く発信を目にすることもあります。
一瞬で変化が分かるものは、とても伝わりやすいと思います。
でも私は、施術のビフォーアフターをSNSで公開することはしていません。
それは、私なりのこだわりでもあります。
私が大切にしたいのは、
「その瞬間にどれだけ変わったか」だけではなく、その先だからです。
施術を受けることだけではなく、自分の身体に少し目を向けてみる。
生活習慣や食習慣、身体の使い方を少し意識してみる。
そして「また戻っちゃった」と感じる日があっても、そこで全部を諦めるのではなく、また少しずつ始めればいい。
私は身体に触れるだけではなく、
「自分の身体とどう付き合っていくか」
その考え方もサポートしていきたいと思っています。
【最後に選ぶのは、お客様自身】
私は、お客様に
「これが正解です」
「これはダメです」
と、一方的に答えを決める人でありたいとは思っていません。
身体も生活も、考え方も一人ひとり違います。
何が良くて、何が悪いのか。
何を取り入れて、何をやめるのか。
いろいろなことを知った上で、最後に選択するのは、お客様自身です。
私にできるのは、その方が自分の身体を知り、考え、納得して選択するためのお手伝いをすること。
それも私の大切な「お志事」だと思っています。
シャロームを必要としてくださる方が来てくださる。
そして、いつかシャロームを卒業される方がいても、それはそれでいいと思っています。
ずっと通い続けていただくことだけが、私の目指すところではありません。
その方が自分の身体との付き合い方を見つけて、納得して次へ進んでいく。
その選択も尊重したい。
そして、また必要になったときにシャロームを思い出していただけたら嬉しいです。
【約20年続けてきた今、もう一度学ぶ理由】
気がつけば、このお志事を始めて約20年になります。
長く続けてきたからこそ、経験から分かるようになったこと、手で感じられるようになったこともたくさんあります。
でも、長く続けてきたからこそ、
「もっと知りたい」
「もっとできることを増やしたい」
と思うようにもなりました。
今、お志事を続けながら学校に通い、国家試験に立ち向かっているのも、そのためです。
これまで約20年間積み重ねてきたものを捨てて、新しいものに置き換えたいわけではありません。
「今まで持っている引き出しに、新しい引き出しを増やしたい。」
学校で学ぶ身体の仕組み。
そして外部実習だからこそ、先生から直接伺うことのできる、教科書だけでは得られないお話。
約20年間、お客様の身体に触れながら積み重ねてきた経験。
最近、それぞれが
「あ、ここにつながるんだ!」
と一本につながる瞬間が増えてきました。
今回のホメオスタシスのお話も、その一つでした。
これまで経験の中で感じ、お客様にお伝えしてきたことと、今学んでいる身体の仕組みがつながる。
そんな瞬間が、とても面白いです。
国家試験まで、まだまだ覚えることは山ほどあります(笑)。
それでも、その先で今より一つでも多くの引き出しを持って、お客様一人ひとりに向き合えるように。
身体が変わっていくのと同じように、私自身も焦らず、
「コツコツ、行きつ戻りつしながら。」
これからも学び続けていきたいと思います。
